残業の心理学〜サンプル数 1 〜

ブラックな会社に入ってしまい残業をいかに減らせるか日々格闘するサラリーマンの葛藤の話。

ハンブルクの芸祭

待てども友人の帰りは遅く、いつしか僕は寝ていた。

 

朝になると友人はちゃんとベットに戻って寝ていた。

聞くと昨日は激しく飲んだらしい。と、言うのも二回生(のようなもの?)に上がれるかどうかの作品公表の日だったらしい。

緊張の結果、進級決定と評価もよかったらしく羽目をはずしたようだ。本当にこんな大変な時期に迎えに来てくれて感謝である。

 

そして今日はその進級作品を含めた芸祭があるらしい。海外の学際はおろか芸術祭なんて興味津々だ。二人でアパート前のスーパーで飯を買い、カレーを作って食った。

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 デッドライジング飲みをする我輩



あとアパート近くのジェラート屋に行った。

初日から思っていたがドイツの人はアイスが好きなのか?歩きながらしきりにアイスを食べている人に出くわす。僕はアイスはあれば食うといった塩梅のモチベであり、好きではあるけどめっちゃアイス食いてぇ!とはならない人間なのでジェラート屋の誘いに渋った。

 

しかしここのジェラート屋がマジでうまかった。ラムレーズンを頼んだがすごく濃厚。そういえば食文化としてデザート系は日本より海外のほうが美味いと感じた記憶が多い気がする。

 

そして夜の芸祭を周った。

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すごく人が多く活気に溢れていた。友人は作品はビデオで内容はポップの中に皮肉とユーモアがあって素直に面白かった。

どうしても一緒に美大受験をしていたころを思い出してしまう。わりと堅物だった友人がこういう方向性の作品を作るようになるとは思いもしなかった。

 

一通り歩いて回ってもちろん、自分の好みの作品もあれば琴線に触れない作品もある。

 

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友人と大学のカフェで飯を食って電車で帰りながら学際について話し合った。


友人は「少しがっかりした部分もある」と言った。

「ドイツの大学ではアートはもっと明確な指標や文脈をわかって制作していると思っていたけど、手探りして迷走した作品も多くてそこは日本の大学と変わらなかった」

と続けた。僕も今日回ってそこは同じ感想をもっていたところだった。


「現代」アートは現在進行形のアートだから今を生きているアーティストはどこまで行っても悩み迷いながら制作していくしかないのかもしれない。先を示す道しるべなどないわけだから。

 

翌日僕は友人と最後、ハンブルクの街をブラブラと歩きバスターミナルへ向かった。

友人宅はアンドレアという初老のルームメイトがいてアンドレアは「また来い」と言ってハグしてくれた。僕はあいさつのハグというのを初めてして、旅先でその土地の人に受け入れてもらった気がしてとても感動した。

 

しかし、ここからが大変だった。バスをネットで調べてみると遅れが10時間と書いてある。すごい遅れるやん!バスターミナルで友人にその旨をlineで飛ばしながらビールを飲み覚悟を決める。


本当に10時間後につくのなら友人宅に戻ってひと眠りするが、万が一早く来たら置いて行かれかねないからバスターミナルで待つしかなかった。と、言いつつこんなハプニングもまた一興と思ってのんびりしていると友人からlineが返ってくる。


アンドレアが『あの人は苦労するのが楽しい人だから大丈夫でしょ』といっていますよ」

と帰ってきた。わずか数日の付き合いでよくわかっているなぁと感心した。