残業の心理学〜サンプル数 1 〜

ブラックな会社に入ってしまい残業をいかに減らせるか日々格闘するサラリーマンの葛藤の話。

グリッドマンの新条アカネが切なすぎる

いやぁ。個人的に今期はグリッドマンが頭1つ2つ抜けている印象です!


グリッドマンの何が面白いって魅力的なキャラクター、ハードなSF、怪獣のパロディとリデザインの旨さ、もちろんグリッドマンのカッコよさ、円谷以外のパロディの多さ、なんと言っても謎がまだまだ用意されているのに1話完結でも問題なく楽しめる話の巧さ。


今回は1話から見続けて尻上がりに筆者の好感を爆上げしていった新条アカネについて述べたいと思う。


初期の新条アカネは天真爛漫でクラスでも人気者、裏ではグリッドマンを倒すべく人としてネジが飛んでいる人物。程度の印象だった。

しかし、何度戦ってもグリッドマンを倒せないが怪獣を作り続け挑戦する姿は少しずつ筆者はポジティブなイメージを持っていった。


第6話で謎の少女の怪獣によって世界の成り立ち、新条アカネとはどんな存在なのかを端的に知らされる。


電車のシーンや外に世界が無いと聞いた時は「ゼーガペイン」が頭によぎった。世界観的にゼーガペインに近い世界では…という疑惑は個人的にまだあるが、こと新条アカネが作った世界という点では寧ろ「うる星やつらビューティフルドリーマー」に近いだろう。

第7話の空に町があるという閉鎖感やイメージも個人的にはビューティフルドリーマーの亀の上の友引町を思い出した。

(関係無いがうる星の亀の上の町は作品中では浦島の助けた亀が街全体を背負っていたら…というコンセプトだが、古代インドの世界観からもきていると思う)



ただビューティフルドリーマーと違うのがラムちゃんは自分にとって都合のいい世界を作って実際ラムちゃんは幸せだしその通りに事が運ぶ。

同じ「世界の神」でも新条アカネは思い通りの世界にはならないし自分の作った世界に満足出来ない。これが面白い。まるでのび太の独裁スイッチのようだ。


新条アカネは嫌いな者を殺して消すイメージが先に付いているがそうではなくて欲しい者もあるし愛して欲しい、自らが求める人物も自分の世界に存在する事が第8、9話でわかる。


特に第9話では新条アカネが欲する人物がグリッドマン同盟の3人であるのが面白い。


グリッドマンを倒すためではなく新条アカネが好きな人物だと思うと第8話はとても切なくて悲しい話になる。自分の作った世界なのに欲しいものは手に入らない世界。自分より強い絆で結ばれた3人を眼前にて確認させられる。アツいけど切なかった。



この8話がキッカケで第9話から新条アカネに本格的な葛藤や挫折が生まれる。人の思いが強い怪獣を作るのなら第9話の怪獣が強かったのは何をか言わんやだろう。


それでも良き理解者の六花が言っていた「弱いのでは無くて繊細すぎる」新条アカネの繊細さは9話のアンチくんとの会話でもわかる。怪獣と人間の違いを説く。そしてアンチくんの気持ちを実は繊細に理解していた。


おそらく新条アカネにとって他人は生きづらくさせる外的要因であり、同時に欲してもいる存在で、怪獣はピロウズの「ブルースドライブモンスター」のように憂鬱な世界をぶち壊してくれる存在。

彼女のそんな内面はおそらく誰にでも普遍的に持っているもので、筆者は強く共感を覚えた。


彼女には幸せになってもらいたい。