ゲゲゲの鬼太郎「河童の働き方改革」
前にも言ったように今期の鬼太郎は水木しげる人生観をとてもよく解釈し、それを現代の問題と重ねて話を作っています。
そして今回の河童の回はそれが顕著に出ています。
水木しげる作品において河童の存在はとても重要で「河童の三平」自体が忙しく金は儲けに勤しんでいる社会の中で本来のゆっくりした生活への憧れを描いた話と聞きます。
(申し訳ありませんがまだ河童の三平は未読であくまで情報として聞いた話です。)
実際水木しげるはラバウルで現地の人間と仲良くなり南国ののんびりした生活に強い影響を受けた経緯があります。(この話は機会があったら)
だからこの河童の回は実にキャッチーな話に仕上がっているが実はとても重要な回なのです。
そしてそののんびりした生活の憧れである河童を社畜にしてしまうのは上手いなぁと思いました。
順を追って見ると、始めの妖怪ポストに投函されたハガキ内容が面白かったですねぇ(笑)
妖怪ウォッチのケータくんに見せてあげたいです。
また妖怪ウォッチとは妖怪の捉え方が少し違うのも面白いですね。
今回の件は妖怪いそがしは全く関与していない事を妖怪いそがし本人が言います。その理由がまた世知辛い…。
余談ですがこの妖怪いそがしは一時期水木しげる本人に取り付いた事がある妖怪です。
目玉のおやじのセリフ
「忙しいと言う漢字は心を失うと書く。心を失った人間は優しさや慈愛を忘れ、死ぬまで働き続ける」
これは後の伏線になっています。本当の幸せとは何か。本当の人間性とは何かを考えさせられます。
あれ?万引き家族もそんな話に近いと言えますね。
そして、社長はキュウリを時給に河童を雇用します。
河童も普段足りてる分以上のキュウリを食べるために喜んで働きます。
四六時中働くために河童の皿に保湿ジェルを塗って(どう見てもレッドブル…)更に働けるようにシャワー完備を要求します。
しかし河童の弟の
「キュウリは只の嗜好品だよ」
ってセリフには驚きました(笑)食料じゃなくてタバコ等と同じ扱いなのか…。
そして搾取されている事に気付いた河童達は一斉に蜂起します。
鬼太郎やその仲間達は次々と尻子玉を抜かれて腑抜けになりますが、妖怪いそがしの登場で気合いの入った鬼太郎が事態を収束します。
そして尻子玉を抜かれた社長は久し振りに失った心を取り戻して家族への愛情を思い出します。
社長は結局スローライフに偏ってクスッと笑えるオチになっていますが、鬼太郎の
「人間って大変ですねぇ」
ってセリフは本当に水木しげるの気持ちの代弁をしてるみたいで凄くおかしかった。
河童の働き方改革も一週間前にちゃんと見たのにもう一週間経って新しい話が始まっているので、もっと早く感想書かないとですね。